俺様と双子達
涙なんて出そうと思えばすぐに出る。



何も考えなくても泣ける。



バツが悪そうに皆の元を離れた蒼君はあたしを連れてコテージの中に入った。



「泣くなよ。」

「だって…。知らない人ばっかりなのに放置されたもん…。」

「………だからって泣くな。」



優しくな~い…。



何か本気の涙が出そう…。



「蒼君はあたしなんかよりAQUAがイイんだ…。」

「ちげぇし!!変な嫉妬してんじゃねぇよ。海に投げ入れるぞコラ。」



そんな事言いながらも抱きしめてくれた。



蒼君の匂い…。



優しい匂い…。



「ごめんなさいしなさい…。」

「ヤダ。」

「じゃあ離して…。今日一緒に寝ないもん…。」

「ムリだし。謝るのはもっとムリ。」



蒼君って謝れない人間なんだ…。



素直じゃないとこもカワイイな…。


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