俺様と双子達
英梨は深呼吸してから電話を取った。



「もしもし。」

「今家?今日って入学式だけだよな?」

「家だよ…。」

「へぇ…。俺今お前の部屋にいんだけど。」



携帯から漏れる相手の声…。



英梨の顔色が一瞬にして青ざめた。



守ってやりたい…。



俺の中にそんな感情が産まれた。



同情かもしれないけど、英梨をあの男から解放してやりたくなった。



「今から帰る…。」

「どこにいんの?まさか男?」

「違うよ舜チャン…。」



もういてもたってもいられずに、英梨の携帯を奪い取った。



俺が助けてやるからな。



「もしも~し。」

「は!?誰だよお前。」

「滝川蒼斗。」

「蒼斗って…。あの!?」

「英梨なんだけどさ、俺にちょうだい。」

「意味わかんねぇ。英梨は俺のだ。滝川さん、早く帰してもらえる?俺の英梨。」



この男はまぁまぁ売れてる18歳の俳優。



芸歴は俺のが上。



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