俺様と双子達
相変わらず蒼君は外を眺めてる…。



怖いよ~…。



「英梨、こっちおいで。」

「蒼君…。行けない…。」

「じゃあ俺が行く。」



急に立ち上がった蒼君に抱きしめられた。



安心する…。



「怖くないの?」

「別に。英梨と一緒なら死んでもいいし。」



なんでこんな状況でそんな事言えちゃうんだろ…。



あたしも蒼君と一緒なら死んでもイイかも…。



そう思ったらまたガタンとゴンドラが揺れて普通に動き出した。



「もう一生乗んねぇ…。」

「うん。」



きっと止まったのは3分くらい。



でも30分くらいに感じた。



「もう遊園地はこねぇ…。」

「観覧車以外は楽しかったよ?」

「そうだな。」



遊園地を出たあたし達は夜の街へ歩き出した。



今から何しよう…。



「焼肉食って気分転換。」

「蒼君のおごり?」

「仕方ねぇからおごってやるよ。」



やっぱり優しい…。

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