俺様と双子達
千夏が楽屋に入る時に俺も入った。



マジでダメだ…。



「どうしてほしいわけ?」

「あたしは隼人のとこに戻りたいだけ。」

「戻ったって千夏を好きにはなれない…。」

「なれる。現に今あたしに同情してる。あの曲の歌詞、『愛を教えてくれた』ってあの子の事?」



あれは俺の素直な気持ちで…。



莉里の事だ…。



「よく隼人をここまで変えてくれたよね。愛なんて全く興味なかったくせに。だから同情するんでしょ?」

「同情なんてしてない…。ただ俺はお前を好きになれない。」

「だから別にイイよ。Ririチャンに言うだけだから。」



千夏が哀れになってくる…。



そこまでして俺を欲しい理由はなんなんだろう…。



「他にイイ奴いるでしょ…。」

「隼人じゃなきゃダメなの…。隼人の心が欲しいよ…。2年も頑張ったのにどうしてあたしじゃダメなの…。」



それは俺にもわからない…。


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