俺様と双子達
逃げた男達のおかげで琉伊君と二人になった。



「大丈夫か!?日向んとこ行こうとしたら走ってる莉里がいたから…。家出か?」

「………。」

「喋れねぇんだっけ…。一回家に戻れ。送ってくから。」



莉里は必死に首を横に振った。



今帰ったら隼人に会えない…。



高校も別のとこに行かせられたら本当に会えないの!!



「どこに行く気だ?その様子だと隼人んとこか…。」



連れ戻さないで…。



お願い!!



「送ってってやる。日向には言うなよ?絶交されたら困る。」



ありがとう琉伊君…。



本当にありがとう…。



琉伊君は隼人のマンションまで送ってくれて、帰りのタクシー代までくれた。



琉伊君に見つけられてよかった…。



深く頭を下げてからいつも持ち歩いてたマンションのカギで部屋に入った。



相変わらず何もない隼人の部屋…。



女の形跡がなくて安心した。


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