クズ系彼女



イライライライラする。


「千葉ちゃん放っといていいのー?」

どこから現れたのか、いつの間にか大輔が隣にいた。

「好きにさせとけばいいだろ。
あんなビッチ、もう知らねえよ」

「……ふーん」

大輔はそう返事をした後にわざとらしくため息をついた。


「鈍いことは知っていたけれど、これほどまで鈍いと、もはや罪だよ?」

「はぁ?」

「千葉ちゃんの行動を千葉ちゃんの気持ちになって考えてみなよ。
なんで体の関係を迫るのか、なんで他の男と一緒にいるのか。
いい加減千葉ちゃんが可哀想だ」

「あいつの考えてることなんかわかるかよ。
適当で気まぐれでわがままで嘘つきな奴だぞ」

「わかろうとしたことある?
あれでいて、君への態度はすごくわかりやすいよ。
まぁ仮にわからないとしても、わかろうと努力することが大切だと思うけど」

「……意味わかんねぇ」

「意味がわからないならそれでもいいよ。
僕が言えるのはここまでだ。
あとは君達自身で解決しなきゃ、また同じことを繰り返すだろうねぇ」

「……?」

「さて、授業が始まっちゃうし行こうか。
千葉ちゃんと違って知識の乏しい君はちゃんと授業受けないとね」

ふらふらと歩き出した大輔について行く。


授業には余裕で間に合ったけど、今日は全く集中できなかった。

頭の中を大輔の言葉と千葉が占めている感覚。


俺は舌打ちをした。
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