クズ系彼女
「おい千葉」

「……なに」

「んなとこ立ってないで座れば。まだまだ先長いんだろ」

「……」

空席の多い車内で、千葉はあえて俺の隣に座る。
もっと遠くに座られると思っていたから驚いた。

「近いな」

「え、あ…ごめん」

「いや、いいけど」

離れようとした千葉の腕を引き、ここにいろと伝えたつもりだ。
千葉はおとなしく座っていた。

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