クズ系彼女
隣に千葉がいるという事実に表情を和ませる自分がいる。

特別な何かがなくても、それだけで俺は満足だ。

だけど千葉はそれ以上を望む。
それは千葉を傷つけるかもしれないのに。



「……匂い」

「へ?」

「いつもと違うな」

「…まぁ、ホテルでシャワー浴びたしねぇ」

「そうか」

わかっていた事実に、胸が少し苦しくなる。

そのわけのわからないような、どうにもできないような。
そんな苦しさが、俺は嫌いだった。


千葉が千葉でなければ。

千葉がビッチじゃなくて清楚な大和撫子なら。

こんな想いはしなかったのだろうな、と思ってしまった。

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