クズ系彼女
「痛っ…」

でこに触ると膨らみがあった。
この年齢でタンコブか。ダサいな。

「おい千葉、平気か」

俺の肩にもたれかかったまま動かない千葉に声をかける。返事はない。

「……千葉?」

嫌な予感がする。
肩を叩いても動かなかったから、顔を上げさせて頬をつねった。


「い、いひゃいぃ!」

はっとしたように千葉が声を上げた。
よかった、危うく人殺しになるとこだった。

「大丈夫みたいだな」

「……」

ほっと息をつく俺を、千葉は訝しげに見ている。
なんだ、この違和感。

「……千葉?」

「……あの」

まさかこうなるなんて……思っても見なかった。

漫画やドラマの中だけの話だと思っていた。



「私は、誰ですか」
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