クズ系彼女
「お前の性欲なんて知らねえっての。そんなにヤりたきゃ俺以外の奴に頼めよ」

「……それ、本気で言ってる?」

「当たり前だ」

俺の体に回されていた手が離れ、その温かさと引き換えに、殴られる痛みが鳩尾を襲った。

「げほっ……」

「もういいよ。帰る」

ふらっと立ち上がった彼女は、荷物を持って玄関へと向かう。

「おい待てよ」

咳き込みながら立ち上がると、彼女は振り向いてキッと俺を睨みつけた。

「へなちょこ! ヘタレ! あんたなんて一生童貞のままなんだから!」

少し目が潤んでいる。

「泣いてんのか」

「なんで私が泣かなきゃならないの。理解不能だね!」

目元を袖で拭い、彼女は家から出て行った。

「……わけわかんねぇ」

俺は呟き、さっきの彼女の表情を思い出した。
泣き顔も可愛かったな。

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