クズ系彼女
「馬鹿じゃねえの」

「へ?」

「絶対にお前馬鹿だろ」

「何さ、君に言われたくなんてないんだけど」

「頭いいくせに馬鹿だ」

あいつの華奢な体を抱き締めた。
顔を見られたくない。真っ赤になってることが予想できる。

「な、なに?」

「お前のことが好きだから付き合ったんだ。理想から離れていようと、どれだけ最低なクズだろうとな」

「え、い、いきなりどうしたの!? すーちゃんらしくないよ!」

「お前がさっき聞いたんじゃねえか。
……俺はお前がいいんだよ。変なこと考えてないで元に戻れよ」

想っていることを口に出すのはなんて恥ずかしいんだろう。
だけど、なんだか気持ちいい。心の中に溜め込むよりも、ずっといい。

ただ、やっぱり恥ずかしいから、照れ隠しついでに抱きしめる力を強めた。

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