【BL】極悪執事のご主人様
「良いお目覚めですね。」
「どこがだ!お前が変なこと言うせいで、目覚めが最悪だ。」
「私がいつ、変なこと言いましたか?」
涼しい顔して、ニヤリと笑うその様は、とても執事とは思えない。
「教えてくださいよ、坊っちゃん。私がいつ、変なこと言ったんです?」
高槻はベッドに乗り上げてきて、俺に顔を近付ける。
「ねぇ、坊っちゃん?」
迫る顔に俺は頬が熱くなる。
そりゃこんな綺麗な顔の奴に近付かれたら、男でも恥ずかしい。
「だ、だから!坊っちゃんって呼ぶな!」
「これは失礼致しました。ほら、教えてくださいよ、夏紀様?」
「~~~お前、本当に性格悪いな!」
「ええ、悪いですよ?」
だから?と言わんばかりの返し。
「けれど、そんな私が好きなのでしょう?」
高槻は勝ち誇ったように笑った。
これには反論できない。
何故なら、それは紛れもない事実だから。
俺と高槻はこれでも一応、恋人と言う関係だ。