不機嫌な彼のカミナリ注意報
プロローグ

『寧々は可愛いな。』

『寧々は俺の全てだ。』

『寧々がいないと俺は生きていけない』

『寧々が一番大好きだよ』


 そんな甘いセリフを吐く彼氏と別れたのは、もう1年も前だ。

 一番がいれば、二番もいた。

 ……いや、違う。
 私は元から一番なんかじゃなかったのだ。


『寧々はその素朴な感じが可愛いんだよ。飾らないありのままの寧々を、俺は愛してるんだ』

 地味な私のことを、そんな風に言ってくれていたのに……


 ―――― 嘘つき。


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