不機嫌な彼のカミナリ注意報
「……じゃあ、俺が焼いてきます。おいしく焼けたらふたりにも持って来ますよ」

 笹岡さんはそう言うと清瀬さんの元へ行き、話しながら焼きそばの鉄板のほうへと向かった。

 本気で笹岡さんが作るつもりだろうか。
 ちょっと心配になってきた。大脇さんの二の舞にならなければいいけれど。

「そんなに見るなよ」

「……え?」

 風見さんの声が小さく聞こえてきたけれど、意味がわからなくて聞き返してしまう。

「そんなに見たら、あとでつらくなるだけだぞ?」

 ……やっぱりよくわからない。
 でも、これ以上聞いたら怒られそうだ。

 私は見ていた視線を下げ、そっとうつむいた。



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