不機嫌な彼のカミナリ注意報
 なんだか申し訳ないことをした。
 そんなことをボーっとする頭で考えていると、風見さんがすぐに車に戻ってきた。
 手にはちゃんと袋を持っている。超高速で買い物を済ませたようだ。

 深々とシートに身を預けたまま、私は幸せすぎてフフフと笑った。

 そのあと車を数分走らせると、うちのアパートが見えてきた。
「そこです」と告げると、風見さんはゆっくりと車を停車させる。

 自分で荷物を持つと言ったのに、そんなフラフラな体で持てるかと一蹴された。
 結局、私の部屋の前まで荷物を持たせてしまった。

 風見さんにそんなことしてもらったら、バチが当たりそうだ。


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