不機嫌な彼のカミナリ注意報
 寝室に行き、ゆったりとしたスウェットに着替えてリビングに戻ると、風見さんがドラッグストアの袋から中身を取り出していた。

「これを飲め」

 差し出されたのは、小さな白い粒の薬とペットボトルの水だった。

「これは……?」

「解熱剤と胃薬だ」

 コクリとうなずいて、素直に水でそれを体に流し入れる。

「これも飲んどけ」

 そう言って次に渡されたのは栄養ドリンクだ。
 よく見ると、発熱時の栄養補給がどうのと書いてある。

 風見さんをチラっと見ると、早く! と切れ長の瞳に催促されている気がした。
 私はあわててそれをゴクゴクと一気に飲み干す。



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