不機嫌な彼のカミナリ注意報
 その直後、ブルーの冷却シートが勢いよくおでこにバチーンと貼り付けられた。
 いや……もうちょっとだけでいいからやさしくしてほしかった。

「寝ろ」

「はい」

「鍵は外からかけといてやるよ。ポストに入れとく」

「……はい」

「寝ろってば!」

 ボーっとする頭に、ひんやりとした感覚が額から伝わる中、風見さんが私を寝室に押し込めて「じゃあな」と帰って行った。

 まるで台風みたいに過ぎ去ったけれど……これは現実だ。

 風見さんとこの部屋で一緒にいられたことは、

………夢じゃないよね?

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