不機嫌な彼のカミナリ注意報
8.彼の古傷
***
「風見くん、まだかかりそう?」
週が明けた月曜日。残業する俺にそう声をかけてくるのは瀬戸だ。
時計を見ると定時を二時間ばかり過ぎており、マーケティング部にはもう俺と瀬戸の姿しかなかった。
「あぁ……もう少ししたら帰る」
「なにか手伝えることあったらやろうか?」
「いや、大丈夫だから」
「そう? 今日、緒川さん休みだったからねぇ」
土曜のバーベキューのときに雨に濡れたのが原因で、緒川が発熱して倒れた。
昨日は一応、熱は下がっていたみたいだが、念のために今日は仕事を休めと半ば強引に俺がそう決めた。
「風見くん、まだかかりそう?」
週が明けた月曜日。残業する俺にそう声をかけてくるのは瀬戸だ。
時計を見ると定時を二時間ばかり過ぎており、マーケティング部にはもう俺と瀬戸の姿しかなかった。
「あぁ……もう少ししたら帰る」
「なにか手伝えることあったらやろうか?」
「いや、大丈夫だから」
「そう? 今日、緒川さん休みだったからねぇ」
土曜のバーベキューのときに雨に濡れたのが原因で、緒川が発熱して倒れた。
昨日は一応、熱は下がっていたみたいだが、念のために今日は仕事を休めと半ば強引に俺がそう決めた。