不機嫌な彼のカミナリ注意報
 なんだか空気が悪くなってきた。

 ところで相思相愛とか、下心ってなんの話だろう?
 私、瀬戸さんについて行ったらどうかされてしまうのだろうか。ちょっぴり怖くなってきた。
 いや、瀬戸さんには彼氏がいるのだから、心配はいらないか。

「え、なんなんですか、その“下心”って! やっぱり俺も飲み屋まで着いていっちゃおうかなぁ。面白い話が聞けそうだし」

 不穏な空気を、ノーテンキな笹岡さんの言葉が切り裂いた。
 だけど瀬戸さんはすかさず首を横に振る。

「ダーメ。笹岡くんに用はないの。ごめんね。あなたは今日は愛する清瀬さんとデートでもしてらっしゃいよ」

「おい!! 瀬戸っ!! お前なぁ!」


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