不機嫌な彼のカミナリ注意報
「すみません……ちょっとお手洗いに……」

 逃げるようにトイレに駆け込んだ。

 どうして私はそんな重要なことを忘れていたのだろう。

 最初から、ダメだと言われてたのだ。……惚れるな、と。
 しかも遠回しにではなく直接的な言葉で伝えられていた。

 なのに私ときたら、風見さんのやさしくされて、うれしくて舞い上がっていた。

 気にかけてもらい、心配されて……それだけで有頂天になっていたのだ、バカみたいに。

 でも……時すでに遅しだと思う。
 もう引き返せないところまで、気持ちが動いてしまってる。

 その証拠に……こんなにも胸が苦しい。

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