不機嫌な彼のカミナリ注意報
10.許してやるよ
***
「緒川、これはなんだ?」
風見さんにデスクまで呼びつけられ、目の前に突きつけられたA4の紙の束を見つめる。
それは昨日、私がデータをまとめて作った資料だった。
「私が昨日営業部に持って行ったもの、ですよね?」
「そうだ。それは記憶があるんだな?」
「……はい。一応」
一応という言葉は要らなかったなと自分で思いながらも、風見さんの迫力に負けそうになってしまい、細い声でつぶやくように付け加えた。
「赤で印がついてる部分があるだろ? そこはすべて誤字脱字だ。それと、参考資料6の部分、肝心な資料画像が抜け落ちてる!」
「緒川、これはなんだ?」
風見さんにデスクまで呼びつけられ、目の前に突きつけられたA4の紙の束を見つめる。
それは昨日、私がデータをまとめて作った資料だった。
「私が昨日営業部に持って行ったもの、ですよね?」
「そうだ。それは記憶があるんだな?」
「……はい。一応」
一応という言葉は要らなかったなと自分で思いながらも、風見さんの迫力に負けそうになってしまい、細い声でつぶやくように付け加えた。
「赤で印がついてる部分があるだろ? そこはすべて誤字脱字だ。それと、参考資料6の部分、肝心な資料画像が抜け落ちてる!」