不機嫌な彼のカミナリ注意報
 週の前半はそのことで風見さんをイライラとさせ……
 中盤は、またかと呆れたように溜め息を吐かれ……
 今日に至っては、ついにとうとう怒声が飛んできた。
 
 それもそうだ。ありえない失敗を連発すればそうなるに決まっている。


「緒川さん!!」

 エレベーターの前で一息ついていると、後ろから声がした。
 何事かと振り返ると走り寄ってくる藤野くんの姿が見えた。
 私はまたなにかやらかしたのだろうかと、嫌な予感しかしない。

「藤野くん、私……またなにかミスしてた?」

「いや、違う違う。その……大丈夫かなと思って」

 藤野くん言葉を聞き、新たなミスは起こしていないのだと安堵した。
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