不機嫌な彼のカミナリ注意報
 私の気持ちはもう決まっている。

 口が悪いとか態度が大きいのは、今更な話だ。
 それが嫌だと思うなら最初から好きになってはいない。

「わ、私のほうこそ……清瀬さんみたいに女性としての色気はないですよ? ……風見さんに好きになってもらえるように努力はしますけど。あのぅ……私は基本的に女子力が低めなんです」

「は? 清瀬? 俺は計算高い女は嫌いだ」

 なんの興味もなさそうに言い放つ風見さんがおかしくて、クスリと笑いを零す。


「――― だから、お前が好きなんだよ」

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