不機嫌な彼のカミナリ注意報
 そんな無愛想で常に不機嫌な人と、どうして私が付き合うことになったのかと、このふたりも不思議に思うはずだ。
 私だってなぜこうなったのか、自分で信じられないくらいだから。

 私たち、本当に付き合っているのだろうか。
 行き過ぎた妄想の果ての、夢……じゃないよね?

「も、もしもだけど……今日、風見さんが美里や舞花に無愛想で、すごく嫌な態度を取っちゃったらごめんね。先に謝っとく」

「あはは。寧々ったら」

 両手を顔の前で合わせてそう言うと、美里も舞花も笑ってくれているけれど……私にとっては笑い事ではなくて心配事なのだ。

「いや、ほんとに。それは冗談ぬきで。本人は大丈夫って言ってたけど、わからないから……不機嫌スイッチが急に入るかもだし」

「………」

「カミナリがね、バリバリバリ~!って突然落ちるかも」


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