不機嫌な彼のカミナリ注意報
「で、俺のどこが好きなのか、今言ってもらおうか」

 ニヤニヤしながら、風見さんが再び私の髪を弄ぶ。

「それは……」

「なんだ? 言えないのか? この期に及んでやっぱり好きじゃないとか言うなよ?」

「い、言いませんよ、そんなこと!」

「だったらどこなんだよ」

「だから、全部………です」


 不機嫌なところも、無愛想なところも、いつも態度が大きくて俺様なところも。

 そして、突発的に見せるやさしさも。

 ベッドの上でだけ、私に甘くとろける極上の感覚をくれるところも。


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