不機嫌な彼のカミナリ注意報
「ていうかね、マーケティング部にいないの?」

「……なにが?」

「なにって、魅力的な独身の男よ!」

 そう言われてふと頭をよぎったのは、隣の席の笹岡さんだった。

 明るい性格だし、爽やかサラリーマンを絵に描いたようなアイドル系イケメンだと思う。
 真那だって笹岡さんを実際に目にしたら、それは認めるはずだ。

「ひとりいるかな。笹岡さんっていう先輩。私とデスクが隣なの。イケメンだしやさしい人だよ」

「よし。もうその人にしちゃいなさい!!」

 言われてる意味が全くわからず、真那を見て小首を傾けた。
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