不機嫌な彼のカミナリ注意報
 同じ部署の真那には先に内示が出たときに話していたけれど、社内メールでいきなり知ることになった舞花や美里には心配をかけてしまったようだ。

「マーケティング部?」

「うん。女性の先輩がひとり辞めたから、私がその代わりみたい」

「だけどなんで寧々が……」

 私たちはこの四月で入社四年目になるけれど、部署の異動は正直どこか他人事のような気がしていた。

 なのに、急に総務の部長が私を呼び出して異動の話をした。
 それが、なんと先週の話だ。

 これからもずっと総務で働くと思っていた私にとって、異動は青天の霹靂だった。

< 5 / 328 >

この作品をシェア

pagetop