不機嫌な彼のカミナリ注意報
「俺、面白い子は好きだからさ。緒川さんって、けっこうタイプかも」

 なんでもないことのように笹岡さんはサラリとそう言って、ニコニコと笑みをたたえる。

 いやいや、私は面白くなんてないですから。
 なのに“タイプ”って……。

 冗談でもそんなことを言われ慣れていないし、免疫のない私は途端に顔を赤くしてしまう。

 笹岡さんが私みたいな地味な女がタイプだなどと、間違ってもあるわけがないのに。


『寧々の恋愛対象は、その人! 決まりね!』

 昨日、真那に冗談で言われた言葉までついつい思い出してしまい、赤い顔がおさまらない。





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