それでも私は
ああ、もう本当に最悪だ。負けた。殺られる。
霧を出そうか。いや、そんな力はもうほとんど残ってはいなかった。
もう覚悟を決めて瞳を閉じるしかなかった。
だが。
「きっとここはすぐ人が来る。来い。」
低い男のような声が耳元でした。
今から殺す相手になんのようだ。そう言ってやりたいが、すぐに彼は私を抱え込み、さっき開けた穴へとジャンプして飛び出した。
すると上の階へと出たのだが、
この天井にも同じように穴があいており、そこから青い空が見えた。
彼は再びジャンプして、私が出たかった青空の下へとあっという間に飛び出した。そしてどこかに向けて走り出す。
なんだ、こいつは。
研究所に雇われた戦闘員ではないのか。
私を助けてくれるような知り合いは、残念ながらいない。
驚く私に、彼は話し出した。
「おい、よくきけ。」
「…。」
「お前に2つの選択肢をやる。」
私を抱えたまま走る彼は確かにそう言った。
ドクリ、と心臓が音を立てた。