ヒミツの同居、はじめました。
「え?」


「だから、お父さんとお母さんは仕事の関係で福岡に引っ越すんだ。」


早く帰ってこいと言われたから、何かあると思っていたけど……。



「……じゃあ、あたしは転校しなきゃいけないの?」

そんな……

たくさんの友達やクラスに恵まれて、幸せな高校生活を送っていたのに、突然引っ越すなんて……。



あたしの浮かない表情を見て、お父さんとお母さんは顔を見合わせて意味深に頷いた。


「お母さん達ね、文が毎日あまりにも楽しそうに学校に行ってる姿を見て、転校はさせたくないと思ったのよ。」


「だから文にはこっちに残ってもらいたいと思っているんだ。」


お母さんもお父さんも、そんなにあたしのことを考えてくれてたんだ。
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