ヒミツの同居、はじめました。
「でも、じゃああたしは一人暮らし……?」



すると待ってましたと言わんばかりにお父さんが言った。

「その心配はない。お父さんの昔からの友達に、娘を住まわせてやってくれって頼んだんだ。そしたら、すぐにOKしてくれてな。ここからもそう遠くない。」


「え、あたしは見ず知らずの人にお世話になるの?」

2人の心遣いはすごく嬉しかったけど、不安が残る。



「大丈夫だ。ほら、松原さんって覚えてるか?何回か会ったことがあるだろう?」


「ああ、あの背が高くてカッコよくて、いつもニコニコしてる人?」


「そう。その松原さんが、文ちゃんならぜひって言ってくれたんだ。」



そうか、世の中にはそんなに優しい人がいるのか。

「でも、やっぱり迷惑じゃ……」


「もう空き部屋も掃除して、準備してくれているそうだ。今更断るのも悪いだろう?」


「うん……」
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