ヒミツの同居、はじめました。
幸せをかみしめながら橋本くんの背中を眺めていると、


「なになになに〜?見ちゃったんだけど〜」


ニヤけ顔の菜摘があたしの前の席に座った。


「なんで一緒に勉強してんの?」


興味津々に身を乗り出す菜摘。


「ふふふ……」

ダメだ私もニヤけが止まらない。

我ながら気持ち悪い。


「朝そこで会って、数学の宿題を教えてもらう流れに……」


「どんな流れだよ!……まあでも一歩前進か。」


「もうあたし死ねる!」


「おーい死ぬなー、ここからだよ!」

机に突っ伏したあたしの背中をおもいっきり叩く。


「はい。頑張ります。」



あたしは上体を起こして菜摘と笑った。
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