ヒミツの同居、はじめました。
「なんか、イメージと違う。」


あたしが独り言のように呟くと、王子はソファに座りながらこっちを見た。


「イメージって?」


「なんか、もっと爽やか振りまいてますって感じ。」

普段学校で見る彼はもう王子そのもので
、あんな、あんなことするような人には見えない。


「じゃあどっちがいい?」

そう言って再び近づいてくる王子に、


「あ、あたしには関係ないから。ファンクラブでもないし。」

過敏に反応してすぐに逃げようとしたけど、ガシッと腕を掴まれてしまった。


やばい。
さっきの事を思い出して、思いっきり仰け反る。


「ふーん……まあ、これからよろしくね。2年5組の渡部文ちゃん?」

意味深に笑った王子はあたしを解放してくれたので、あたしはダッシュで部屋に戻った。

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