鈴姫伝説
ミューマの話は、こうだった。
昔、1000年くらい前の日本に、あるお姫様がいた。
そのお姫様は、不老不死。
人の悪意などが一ヶ所に集まると、『魔物』という化け物になってしまう。
その『魔物』が暴れて、人々を困らせていた。
そのお姫様は、霊力を使って魔物を退治していた。
お姫様の名前は、『鈴姫』
「それが、すずかの前世なんだミュ」
「え?」
どういうこと?
「まって、まって」
まだなにかを話そうとしているミューマを、慌てて止めて考えた。
さっきミューマは、あたしは、鈴姫の生まれ変わりって言ってた……。
「で、また魔物が暴れだしたんだミュ。
すずか、その鈴を使って魔物を退治してほしいんだミュ」
は……?
ミューマがその鈴といったのは、明らかにあたしが左手にしている鈴のことで……。
「まって、話が……」
読めない……。
言えなかった。
──パアァッ
「っっ……!!」
身体が、光を発する。
熱い!熱い!
身体の内側が燃えているみたい。
『解』
シャン……と光が弾けて、視界がキラキラと煌めく。
まぶしい……。
「やっぱり、似合うミュ♪」
ミューマが手を叩いて、嬉しそうに言った。
「何のこと?」
「鏡を見るミュ♪」
すごく嬉しそうなミューマに背中を押されて、あたしは、ドアの近くに置いてある鏡の前に立った。
「うそ……でしょ……?」
声がかすれてでなかった。