鈴姫伝説
「女神様から聞いたんだけど、私は鈴……お姉ちゃんだったらしいの……」
「へ?」
ゆきなの言葉はあたしの右耳から左耳へと抜けていった。
意味が分からないんですが。
どういう意味!?
「あ、えーと私ね、さっきお姉ちゃんが言ってたじゃん。
鈴姫が最後に光の粒子となって消えたって」
「うん……」
「あの光の粒子は鈴になったの。その鈴が今の私ってこと」
……分からない……。
「そう言えば鈴姫は氷を扱えたとも言ってたよね?
鈴になったものの中で鈴姫の雪女の部分が、集まって出来たのが私みたい」
「はあ……」
あたしの片割れってことなのか……。
つまり、ゆきなの前世は鈴姫……ということ。
女神様がフフフと微笑んだ。
「ゆきなの他にも“鈴姫”だった者たちはまだいるわ。
仲間はまだいる。
ゆきなやすずかには近くにいけば分かると思うわ」
「はい!」
ゆきなは嬉しそうに元気に返事をした。
仲間……他に霊力を持った人とかいるってことなのかな……。
嬉しいような、不安なような……なんとも不思議な気持ちだった。