鈴姫伝説


え……?




今……なんて……。



信じられないことを聞いた気がする。




“お前ら、消してやる……”?




しかし、頭の中でリピートされる言葉。




嘘じゃ、ないの?




彼の右目に宿ったエメラルドグリーンの光は、燃えている。



「……なに?」




突然、ふっ!と辺りが闇に包まれた。


闇の中で見えるのは千の右目の光だけ。


背筋がぶるりと震える。



なんなの……、怖い……。





両手で身体を抱き締める。




「…………」




闇に驚いたあたしたちは、声を出すのも忘れ、ただ辺りを警戒する。


大丈夫……すぐそこにミューマもゆきなも、いる。


自分に言い聞かせると少しだけ、気持ちが落ち着いた。



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