鈴姫伝説
鏡に映ったのは、あたしじゃない。
腰まであったはずのこげ茶の髪は、キラキラと光を反射する地まで付くような黄色っぽい金髪に。
眼は、茶色の中に濃い黄色がある感じ。
頭の両サイドには、金の大きな鈴が一つずつ。
そこから、赤いリボンのようなものが髪と同じように風に、たなびいている。
服装は、袖は着物のような感じなのに、おなかが出ていて、下は太ももくらいの長さのスカート。
編み上げブーツで、底が高い。
「なにこれぇー!!!!」
あたしは、変身していた。
「これから、よろしくミュ。『鈴姫』♪」
ミューマが目を細めて言った。
う、うそでしょお~!?
あたしはただ、鏡の中の自分じゃない自分を見つめた。
とても暑い夏が、始まる。