鈴姫伝説
徐々にあたしを拘束する力が強まっていく。
手首に千の爪が食い込んで痛い……!
あたしはただ、怖さで立ちすくむだけ。
必死に抵抗しようとしても、身体が言うことを聞いてくれない。
ダメ!!
このままじゃ……。
「千……!!」
あたしは唯一自由に動く首を動かして、千を振り返る。
彼はあたしより遥かに大きくて……。
上を見上げないと顔が見えない。
なのに……。
「……っ!んん!?」
なにかがふんわりと柔らかく温かいものが、あたしの唇に当たった。