鈴姫伝説
押さえつけるとミューマは「フミュッ!!」と呻き声をあげた。
「二人がやる気がないからだミュ!!」
「だぁってぇー……」
暑いじゃぁん……。
だらけてもしょうがないよ……。
「とにかく行くミュ」
ミューマに叱られ、「はぁい……」と気の抜けた返事をし、ゆきなと歩き始める。
でもさ、どこいったらいいのよ。
なにも分からないから、暑くなくてもやる気が出ないよ……。
公園を出ると、目の前にひとつの店が現れた。
アンティーク調の可愛い店。
こういうのあたし好きなんだよね~。
「ちょっと、お姉ちゃん?どこ行くの!?」
「すずか?」
あたしは自然にフラリと寄っていって、店の中へと入っていく。
中に入ると、オレンジ色の光があたしを包んだ。
店内では、二人の女子高生らしきお客さんが楽しそうに商品を見ている。
彼女らが持っているのを見ると、ここはアクセサリー屋さんらしい。
「わあ……可愛いー……」
あたしを追いかけてきたゆきなが声を溢した。
ゆきなも好きだもんね、アクセサリー。
特にアンティークのものが。
よくお店があると何かしらを買ってくる。