鈴姫伝説



騒がしかった店内が静寂に包まれる。



「チッ……。ここのモノ、趣味じゃねーよ!!」


「高すぎんだよ!!アクセサリーもっと安くできねーのかよ!!」



さっきの高校生たちをしっかり見ると、二人はギャルっぽくて、どっちかっていうとチャラい……。



ギラッギラッ……。



二人は怒鳴り散らすと、持っていたアクセサリーを棚へと投げつける。


うそ……。


商品をなにしてんのよ!!


店員はビビってしまって、奥で縮こまっている。



「……フン!行こっ」


「ああ。他のとこ寄ってくべ」


二人は踵を返して投げつけたアクセサリーもそのままに店を出ていってしまった。



……ちゃんとアクセサリー返さなきゃダメだよね……。



今見ていただけの他人だけれど、気になってしまうから……。


あたしはアクセサリーの近くへとよって、それを持ち上げてみた。



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