鈴姫伝説









家に帰って、急いで鈴を包装紙から取り出す。



そしてそのまま、ブレスレットへと付けた。




その瞬間、頭の中に誰かの声が響く。



深紅の光がフラッシュのように発された。




『誰だ……私を呼び起こしたのは。

主(あるじ)は誰だ……』



少し低めの女の声。


溢れていた光が一ヵ所に集まって一人のシルエットとなる。


そのシルエットは女性。



スタイルのいい身体。


さらさらクルッとウェーブのついた藤色の耳の横で縛った髪。


紅色のリボンがきっちりと結ばれている。


凛とした赤紫色の尖った瞳。


眉はつり上がっていて、赤い唇は“へ”の字に曲がっていた。


手は腰に当てていて、高いところからあたしたちを見下ろしている。




やっぱり……このひとは鈴だ。


ゆきなと同じ……タイプの人……。


ゆきなもそれが分かったようで……。



「私と同じ……仲間……?ほんとに?」


声が震えている。


たぶんこれは……。



「っう!?」



女が突然よろめいた。















「やった!仲間なんだよねっ!


私、ずっと待ってて……」





ゆきながガバリと抱きついたからだ。



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