鈴姫伝説
うそ……。
届かなかった……。
──ペタン。
身体の全ての力が抜けて、その場に座り込む。
手首についた、銀色のブレスレットと鈴がチャリ……と擦りあって音が鳴る。
伸ばしていたその手を見つめる。
震えてる……。
どんどん指先から体温が下がっていく。
あの女の子の涙目が脳裏に浮かんでは消えていく。
助けてって、言ってた……。
小さな手を恐怖で思考を支配されるなか、一生懸命伸ばして。
腰が抜けて、動けない。
あたししか助けられる人がいなかったのに。
あたしがみんなを護るって、誓ったのに……。
目から抑えていた涙が溢れ出す。
消えかける意識の隅で、誰かの叫び声が聞こえる。
あの女の子の親……?
また新たに涙が溢れた。
どうしよう。
あたし、護れなかった。
あんなに小さな命さえ、護れないなんて……。
悔しい……どうして……?
もう、力が入らない……。
手が力なくダラリと土の上を滑った。
そのとき。