鈴姫伝説






「お母さんっ!!」






「……え?」










これは……。














さっきの女の子の声……。














声がした方を見ると、それはあたしの後ろの方からで……。



え?




どうして……あたしの後ろにいるの……?



だって、さっき魔物に……。





どういうこと……!?




あたしはこの状況を理解出来ず、呆然としている。



ぼんやりしているあたしの前を女の子は走り抜け、母のもとへと駆け寄っていく。



そして二人はしっかり抱き締めあった。




「ありがとうございます、ありがとうございます!!!!」




「どういたしまして……」






お礼を言われたので、とりあえず応えを返す。



意味が分からないんだけど……。




なにが起こっているの!?



今、どういう状況!?




あたしが助けたわけじゃない。



なのになんで女の子ば無事なの?



周りを見ても、ゆきなは呆然としているし、ミューマの姿は見えない。



……また、吹き飛ばされてるかも……。



一体、誰が助けたの?




「誰か忘れていないか……」





「……あ!」




「その女が助かったのは私のおかげだぞ?」




あぁ!



忘れてた!!




あのつり目の女!!




彼女はフン!と鼻を鳴らして腕を組んだ。







< 139 / 511 >

この作品をシェア

pagetop