鈴姫伝説
この人の存在、すっかり忘れてたよ……。
「私のおかげって、どういうこと?」
「私が力を使ったからソイツは助かったのだ」
力……?
ゆきなと同じように、なにか特別な力を持っているんだ。
「やっぱりあなたが助けてくれたの!?」
女はわずかに目を細めるとあたしを強く見据える。
「……まぁ、人が殺されるのは見ていたくないからな……」
やっぱり……優しい人なんだね。
彼女は一呼吸をおく。
「お前の一生懸命さ……、どうして他人にあそこまでできるんだ?
私には、わからない。
その理由が……知りたい……」
一生懸命さ……?
それはただ、助けたいだけ、笑顔にしたいだけ……。
あたしの使命で……あたしにしか、出来ないこと、だから。
よくわからないや、自分でも。
もしかして……あたしの勘が間違えていなかったら……。
「……仲間に、なってくれるの?」
女はびっくりしたようだった。
だって、あたしには、そう聞こえたから。
そうでしょ?
「あぁ……仲間に、なってやる……」
「ッ!! ほんとっ!?」
「あぁ。もともと私の主は鈴姫だ」
嬉しさが胸を満たす。
仲間が、増えるんだ!!