鈴姫伝説
「ねぇ、ナディーン……ナディーンって言いにくいから、ナディでいい?」
ナディは少し考えていたけど、すぐに頷いた。
「す、すずかだけなら……」
男言葉使うのに……照れ屋とか……ツンデレってヤツ?
あだなはあたしだけとか……可愛い……!
抱きついていた力を強める。
「これからよろしくね。ナディ!」
嬉しさの余り、あたしはナディから離れずにいた。
すると、
「……まず、魔物を倒しておかないか?」
ナディに冷静なツッコミをされた。
そうだった。
「ゆきなっ!!」
叫ぶとすぐに氷が凍りつく音がする。
魔物は動きを封じられて、呻き声をあげる。
「ごめんね……!」
あたしは謝りながら、魔物へ光のシャワーを浴びせた。