鈴姫伝説
勇ましき戦士たちよ
あれから数日後……ナディはあたしの家にいる。
暑い昼下がりは、やはり、だらけてしまう。
今日はナディに鈴について詳しく聞くことにした。
ナディはあたしとゆきな以外の人間には、見えていないらしい。
そして、あたしたち見えている人にしか触れない。
あたしがトイレに行くとき、ナディがくっついてきてしまったとき……。
ママがスゥッとあたしの前を通りすぎて……ナディにぶつかった……ように見えたものの、ママはナディをすり抜けた。
ヒヤヒヤして、見ていたけれど、安心してよさそうだ。
間違えてママとかの前で、ナディと話さなければ。
「……何か考えているのか?」
ナディに呼ばれて、ハッと現実に戻る。
「ナディ……、もっと鈴について教えて。あなた、何か知ってるでしょ……?」
気づけばナディの腕を掴んで、顔を覗きこむようにしていた。
さすがのナディもビクリと身体を揺らす。
いつも無表情なナディも、少し表情を固めた。
ごめん……!
「と、とにかく落ち着け!
話してやるから……な?」
ナディはあたしを腕から剥がしながら言った。
彼女に言われた通り、ソファに座り直す。
ナディはあたしの前に机を挟んで浮かんでいる。