鈴姫伝説



『昔のあの日……。



何年も前のこと……。



鈴姫がいて、彼女は自らの命を懸けても、伝説の鈴を守った。



どんな奇跡をも起こす力……それだけ強大な力は、悪いことを企む者も狙っていたんだ』




──ぱちん。



乾いた指を弾く音がして、頭に映像が流れ込んできた。





……これは……。




あのときの……女神様に会ったときに取り戻した前世の記憶……。




あたしが誰かと戦っているシーン。



あたしが鈴となり、消えゆくシーン……。



実はあんまりこのときの記憶は見たくない。



自分が消えていくシーンなんか……。




そんなことをいっても、頭に直接記憶が流れてくるから、“見ない”なんて選択は出来ない。




鼓動が早くなるのが分かった。




< 146 / 511 >

この作品をシェア

pagetop