鈴姫伝説




そんなあたしを見て、理解したのか、ナディは再び赤い唇を開く。




『鈴姫が消えたと同時に鈴姫は鈴となった……。


その鈴は本当は私たち、4人の戦士だけだったんだ……。



鈴姫が私たちを伝説の鈴を守る戦士として造り出したんだ……。



あの複数の鈴が少しずつ4つの塊となって……私たちになった』





そうだったんだ……。



過去を思い出したとしても、断片的で細かいことは何一つわかっていないあたし。



知識を集めなきゃいけない……。



『だがっ次の瞬間!!




……私たちは魔物に、なった』




ナディの赤紫色の瞳の焦点が合わなくなった。



肌が思いっきり露出している短いズボンをギュッ!!と握りしめている。



まるで、それは何かに怯えているようだった。




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