鈴姫伝説

白い何かが前を横切る。



「あっ……!!」



「大丈夫かミュ!」



「グォオオ!!」



弾かれた生物は、ズダァン……と、砂ぼこりを上げながら倒れこんだ。

それをやったのは、白い天使……。



「ミューマ!どこ行ってたの!?」



「まぁ、ちょっと用事が……、じゃなくてバトルに、魔物に集中するんだミュ!!」



「う、うん」



ミューマの気迫に押され、あたしは渋々頷く。

とりあえず、天使の横に立って、構えてみた。

グルルッ……と、喉を鳴らして魔物は、立ち上がった。



「とにかく、暴れている魔物を止めるんだミュ!!

身動きが出来ないようにしないと、封印出来ないミュ!!」



「わかった!!」



そう叫んだものの、なにをしたらいいのか……。

すると、さっきのミューマの攻撃で怒り狂ったのか、再び魔物は腕を振り上げた。

今度は両手を……。



「いやっ!!」



あたしは、とにかく無我夢中で後ろへのけ反りながら、飛んだ。

すると、あっという間に地面は、遠くなって……。



「う、ぉっ!!」



気が付けば、10メートルくらい後ろへ飛んでいた。



「すごい……」



言葉が知らないうちに、口をついて出た。


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