鈴姫伝説
なんだか、ナディが見ているのはあたしじゃないみたい。
あたしの中の……誰かを見ているようだ。
とにかく、雰囲気がいつもと違う……。
慣れない雰囲気が怖くなって、あたしは明るく言う。
「これからも、よろしくね……ナディ……」
ナディは立ち上がってあたしを正面から見つめた。
「あぁ、よろしくな……すずか」
ナディは赤紫色の瞳を輝かせた。
新しい仲間は……こんなに強い。
凄い人なんだね。
あたしはナディの手をとって、握り締めた。
それは、とても温かい体温だった。